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大人になると……  No.50

 

大人になれば、難しい本を読むようになると、漠然と思っていた。

しかし、大人になっても手に取る本は漫画が主である。

時々は小説も読むのだが、年々読みやすい本を選ぶようになった。

高校生の頃はメルヴィルの「白鯨」や、ドストエフスキーの「罪と罰」を読んだりもしていた。

だが今は、できる限り薄い本を選んで手に取る自分がいる。

 

 

音楽もそうだ。

歳を重ねると演歌や歌謡曲などを好むようになると思っていた。

だが、音楽の好みは若い頃とまるで変わらない。

 

また趣味だけではなく、立ち振る舞いや、人としての考え方も、大人になると変化すると思っていた。

たとえば、私は大人になると、自然と立派な人間になると勝手に思い込んでいた。

だが現実は違った。

高校生の頃と、ほとんど中身が変わっていない自分が今ここにいる。

 

気づけば高校生の頃の担任の年齢をすでに追い越している。

あの頃、担任は随分と大人に見えた。

しかし実際は、その頃の自分とそんなに中身は変わらなかったのかもしれない。

 

大人になって初めて、大人がそれほど人として優れていない事を知った。

 

でも、よく考えてみると、私の周りの大人はダメな奴ばかりだったではないか。

中学の教師には、その日の気分で怒鳴る奴や、簡単に生徒を殴る奴もいた。

町内の催しでは、酔っ払って暴れるオッサンも多かった。(内一人は私の父だ)

なぜこんなにダメな大人ばかり見てきたのに、大人になると立派な人間になると思ったのか不思議でたまらない。

 

子供は大人の背中を見て、大きくなるものである。

きっと私はダメな大人ばかりを見てきたのであろう。

立派な大人を見て、立派に成長できなかった点は残念だ。

しかし、立派な人間を見て、ダメな大人になるよりは、言い訳できる分救いがある。

 

 

 

 

 


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