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将来の夢   No.30

 

小学1年生の頃、担任の女性の先生がホームルームの時間に将来の夢を聞いてきた。

先生はクラスの全員に小さな紙を配り、そこに自分が大人になった時になりたい職業を書くように指示する。

 

この当時はサッカーがまだプロ化しておらず、男の子の一番人気は野球選手だったと記憶している。

またパイロットや漫画家、サラリーマンなども人気だった。

 

私は大多数を占めるドМな世の中の連中とは思考が違うので、この頃からすでに将来働きたいとは思っていなかった。

大人になったら、働かないで優雅に暮らすことが夢だったのだ。(この夢は現在も変わらない。子供の頃からの夢を、大人になっても追い求め続ける私は実にカッコイイ(照))

 

だがそうなると問題がある。

将来希望する職業がないので、書くことがないのだ。

仕方がないので、こうした時は近くの席の人と同じ職業を書く事にしていた。

 

私は右隣りの女の子の職業を見る。                                   

その女の子は、当時の私が片思いをしていた子だった。

どうせなら、好きな子と同じ職業がいいと思い、彼女の職業をまねることにした。

 

その子の紙にはこう書いてある。

 

レースクイーン

 

当時の私はその職業がどんな仕事か分からなかったが、大好きな女の子と同じ職業を書きたい一心で自分の紙に「れーすくいーん」と書いた。

 

後日、担任の先生にこっそりと呼ばれ、小声で質問される。

「君は本当にレースクイーンになりたいの?」

まだその職業が何かを知らない私は真剣な顔で「はい、本当です」と答える。

「そうなの。いや君が本気なら先生応援するわ」

「はい、ありがとうございます」

 

その後、しばらく無言で先生と見つめ合ったのを今でも覚えている。

 

 

もしタイムマシーンをお持ちの方がいらっしゃいましたら、私にご連絡下さい。

 

 

 

 


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