求人雑誌    No.012

働いていると、ストレスにまみれることが多い。

私の場合は、全身にストレスをまとって帰宅するのが常である。

 

ストレスの原因は主に、上司の意味不明な指示、それ以外の上司の指示、指示を聞かない部下の存在、指示を聞く部下が存在しないこと、働かない同僚の存在、働く同僚が存在しないこと、職場の壊れたエアコン、散らかって隣の私の席にまで書類がなだれ込んでいる両隣のデスク、理不尽なクレームを寄せるお客様、理不尽なクレーム寄せる社内の方々等々、控えめに挙げるとこれぐらいでしょうか。

 

こんなストレスだらけの職場で働いていると「会社の連中と、お客様が全て猫だったらなぁ」と想像したりもする。

猫になら何を言われても堪えられるし、そもそも何を言っているのか分からない。

猫が仕事をサボっていても怒る気にはならないし、自分もサボれる。

こんなことを考える程、私は追い込まれている。

 

このままではダメだ、何か良い仕事はないものかと求人雑誌を帰りに買う。

家に着くと部屋にこもり、雑誌を開く。

求人広告には様々な謳い文句が並んでいる。

「アットホームな職場です」

「働きやすい職場環境」

「未経験者大歓迎、丁寧で優しい指導」

「あなたのやる気しだいで高収入」

「皆が笑顔になれる楽しい職場です」など。

素敵な会社が世の中にはたくさんあるなと感心していると、あるものを見つけた。

私が働いている会社の求人広告だ。

そこにはこう書かれていた。

「理想の上司、理想の仲間にここで会える」

そんな奴いたか?

頭をフルに使い考えてみると、思いつく人間が1人だけいた。

私だ。

どうやらいつの間にか私が会社の看板になっていたようだ。

そんなに会社は私を評価していたのか、微塵も知らなかった。

私は、雑誌を壁に投げつけた。